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沖縄論考

日本と沖縄のことについて考えていきます。

沖縄への基地の押しつけをやめる

ここまで、「『本土』に住む我々が沖縄に過重な基地負担を押し付けている」「沖縄に対する基地の押し付けはやめなければならない」ということを主張してきた。

 

では、押し付けをやめるために、我々は具体的に何をしたらよいのだろうか。「安保廃棄・日本からの米軍撤退」を目指して平和運動を展開すればよいのか、政府の沖縄基地負担軽減策を支持すればよいのか、それともほかの何かなのか。

 

それを考える前に、「『本土』に住む我々が沖縄に基地を押し付けている」ということについて、今一度、それがどういうことなのか、確認したい。

 

沖縄に存在する基地などの米軍施設は、第二次世界大戦末期の沖縄戦の最中に、沖縄に侵攻した米軍が現地の土地を強奪し、飛行場などの軍事施設を建設したことに始まる。

 

戦後、沖縄はサンフランシスコ平和条約により、「本土」より切り離され、米軍により統治される中、米軍施設はさらに拡大され、「祖国復帰」が実現した70年代には、それまでに「本土」から沖縄に移設された海兵隊基地などを含め、その占有比率は約75%に達した。

 

沖縄への米軍の駐留とその関連施設の建設・設置は、日米安保条約を根拠に行われている。同条約では、米軍が日本に駐留し、その関連施設を日本国内に設置する権利が認められている。しかし、その設置場所が「沖縄でなければならない」という取り決めはない。

 

すなわち、米軍基地は日本国内のどこに設置してもよいことになっている。しかし、現実には、その約75%が沖縄に集中している。集中させているのは誰か。それは日米安保条約の一方の主体である日本国政府と日本国民である。日本国政府と日本国民は、戦後~70年代までの約20~30年の間に、沖縄に対して、選択的に基地を集中させてきたのである。

 

もちろん、そこには、「沖縄に基地を集中させたい」という米国・米軍の意向・意思も働いたであろう。しかし、日米両国は対等な関係にある二つの主権国家である。もしも、日本国民が沖縄への過度な基地負担の集中を望まず、世論や投票行動によって、その意思を政府の外交・安全保障政策に反映させていれば、沖縄への過度な基地集中は行われないか、行われたとしても、是正されてきたはずである。

※沖縄に米軍基地が集中することについて、同地の「地政学的優位性」に原因を求め、それを正当化する論もあるが、「地政学的優位性」は、少なくとも、沖縄への海兵隊基地の集中の理由としては成り立たないことが、近年の日米両国の学者や政治家の研究・発言より明らかとなっている。百歩譲って、「地政学的優位性」が成り立つとしても、「故に沖縄に基地を集中させるかどうか」は、我々日本国民と日本国政府の選択に任されている。

 

それをせずに、沖縄への過度な基地負担を推進・容認し、現在もそれを維持し続けているのは、我々日本国民とそれによって支持されている日本政府である。逆に言えば、そのような「沖縄への過重な基地負担の押しつけ」をやめることができるのも、日本国民と日本政府であるといえる。

 

では、そのやめ方であるが、それには大きく分けて以下の3つがある。

 

1.安保廃棄、米軍の日本からの完全撤退の実現

2.沖縄の基地負担軽減への取り組み

3.米軍基地の「本土」への引き取り

 

結論から言うと、「沖縄への過重な基地負担の押しつけ」をやめる最も現実的な方法は、3の「米軍基地の『本土』への引き取り」である。これ以外の方法では、「押しつけ」をやめることは、現実的に不可能であると考える。

 

なぜそうなのか、その理由は次回述べる。